2022年02月02日

上野の森美術館アートスクール夜間のゴッホの絵をどう見るかの講義

20年ほど前に福音館で子供の為の絵の見方の本を10冊シリーズで始めたんだけど、最初のピカソがピカソ財団からの理不尽なクレームで出版までに2年もかかり担当者が定年退職で1冊しか出せなかった。其の2冊目に出すはずだったのがゴッホの椅子。この作品とんでもなくデフォルメrされています。まずはこれが原画の絵。手前の椅子の足が極端に大きくなってます。次の絵を見ると奥の方が広がっているのが分かると思います
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次はもしゴッホの椅子を凡庸な画家が見たままに描くとこうなるよという絵。いかにゴッホの絵がこちらに迫ってくるか分かります。
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この作品は手前の足をデフォルメして大きく描いたので床のラインを真っすぐに現実に即して描くとこうなります。つまり足が変に見える。
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足が変に見えないために床のラインをあり得ないほどぐにゃぐにゃにしてます。さらに椅子には右からの光が当たってますので、本来はこうなるはずです。しかしこうすると面白くないので影をまったく自由に変えています。さらに影を感覚的に変化させた分遠近感を出す為輪郭線を青と黒を使って空間を出してます。
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椅子のバックがやたら明るく描かれていますこれは背もたれの部分を手前に引き出す為です。実際の壁はこのくらい暗いのでこうすると手前の足と遠近感が合わなくなります。
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ようするにゴッホの非凡さは手前の巨大な脚でこちらに迫ってくるように描きます。その為に床のラインをぐにゃぐにゃにして、輪郭を青と黒にしてバックの暗さも明るく変えてます。
これだけ説明しても分からないと思いますので、そういう人は上野のアートスクールに習いに来てください。人生が変わりますぞ。
posted by entotsu at 00:16| Comment(0) | 絵画教室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする