2022年10月03日
一澤帆布の経年変化
昔昔は一澤帆布はカバン好きオジサンの聖地で木造の作業場の手前の板敷きの場所に鈴なりに掛けられたカバンの中から自分の好きなものを選ぶのが醍醐味だった。この頃は先代の時代だったのでまだ職人たちは日給で働いていた時代だった。この頃は一澤帆布猛者と呼ばれる人たちがいて、一澤帆布はどんなになっても修理してくれるのでボロボロに使ってどのくらい継ぎはぎがしてあるかを競っていた。だから新品の一澤帆布を持ってすれ違おうものなら「カスが!」という一瞥を受けたものである。昔は東京でもそういうオジサンとすれ違う事が多かったがこの頃は全く居なくなった。時々すれ違うのは新しいピカピカの信三郎帆布を持ったお姉さんたちである。カバン好きオジサンは絶滅したのかなあ?だから鞄談義全然売れないのかしら。僕は一澤帆布、信三郎帆布を60個ほど持っているが、写真のモノは現在身近において使っているものである。結構経年変化と言うよりは汚れてると言った方が良いかしら。










