1・まず最初のお話はデッサンとクロッキーの違い。デッサンは光と陰で2次元の紙に3次元疑似空間を作る事です。基礎は石こうデッサンから始めます。石膏像が存在している空間を造形するため、その存在に迫るため試行錯誤しながら基本30時間かけて1枚を描きます。クロッキーは1枚基本5分でやってます。いろいろな人が受講してきて大抵デッサンの描きだしのように線を探りながら描き始めます。こうすると一見形が取れてる作品に見えますがデッサン的な発想で描くので時間は5分ではロクなモノが出来ません。だから僕の講座ではクロッキーは試行錯誤ではなく、1本の線で描いて下さいと規定しています。勿論線は上手く繋がらないし、形も狂いますが線は格段に進化します。講座では5分クロッキー4回を8セット、2分クロッキー10回で午前午後の1日で42枚描きます。最後の合評会では一人6枚づつ並べてもらいますが、皆さん3枚くらいは今迄のものから飛躍した作品を並べます。1本の線で引くと、間違いは間違いだとはっきりわかります、ですから次は修正を掛けてより正確にしようとしていくので伸びるのです。
2・生徒さんに渡すのは人体の関節と筋肉の関係、これは暗記してもらうしかありません。肋骨、腰骨など皮膚の上に露出する部分を正確に描くと人体が収まります。僕の作品を解説を付けて5枚入れてます。
3・モデルさんは出来るだけ筋肉が見やすいダンサーの人をお願いしています。床に絨毯とシーツをじかに牽いて周りにボックス2個で場所を作っていきます。
描く道具は鉛筆10Bを5本。尖らせて使う。僕は着彩にパンパステルを使ってます。