2018年01月20日

絵描きの絵画論その2ピカソ

絵描きの絵画論のその2です。作品はピカソの桃色の時代のサーカスの男です。これは作品の輪郭だけ描いたものを生徒さんに渡し塗り絵してもらってから講義しました。光は左上からあたっていることにしています。
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それでこちらがピカソの作品です。
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生徒さんの作品とピカソの作品は大きく食い違っています。一番大きな違いは生徒さんは光の方向に忠実に男の左前からあたっている光を再現して背中は暗くして立体感を出しています。ピカソの作品では光の当たっていない背中にも光の当たっている部分があります。さらに男の半ズボンは全く光を無視して平坦に塗られ、下の布も上の面も横も一緒の色です。座っている箱も背中に比べて明暗が薄く下の影も描かれていません。
男の光の当たっている腕の背景は明暗法の理論では暗くならなければいけません。バックの3段階に続く丘陵も右と左の明暗が違います。何より後ろの玉乗りの女性の光は男と反対の右からあたっています。
 要するにピカソは自然に見える絵画明暗法を全く無視して新しい秩序で絵を描いているのです。その目的は平面化です。西洋絵画は19世紀になって絵画の新しい表現方法を模索していましたがその時に日本の浮世絵に出会い、自然空間の模倣に寄らない平面を使った空間構成に驚愕します。この作品はピカソが平面空間による疑似立体の表現に取り組んだ傑作です。
 女が乗る球のカーブが男の足のふくらはぎのカーブと一致します。何故、ピカソはふくらはぎの後ろに玉を描かなかったというと、ふくらはぎを超えて玉を描くと玉乗り女性が前に飛び出してくるからです。とにかくこの作品はただものではないピカソ満載です。
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posted by entotsu at 00:27| 絵画教室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする