2020年12月04日

久々の空想の世界にいざなう大物トランクです

珍しい幅調節ができる大型トランクです。僕はトランクを50ほど持ってますが幅調節ができるのはこれで4つ目です。例によって出所が分かるブランドラベルはありません。内部は驚くほどきれいでほとんど使われてなかったものですがラベルはありませんでした。トランクには2つのシールが貼ってあり、どちらもNYKラインのモノです。一つには秩父丸と上海が明記されもう一つには鎌倉丸、神戸と書いてあります。ですから最初は秩父丸で上海に行き鎌倉丸で帰ってきたと思っていました。ところが調べてみると、なんと秩父丸と鎌倉丸は同一の船でした。
 秩父丸が竣工するのが昭和3年2月。太平洋横断ラインに就航し太平洋横断記録を作って太平洋の女王と呼ばれた豪華客船でした。昭和13年には横断100回記録を打ち立てています。ところが秩父丸は英語表記されるとCHICHIBU-MARUとなり、英語のスラングのおっぱい、TITに音読みが似てるというので、おっぱい丸みたいに呼ばれたのが嫌だったのか昭和14年に鎌倉丸に船名を変更します。昭和16年には帝国海軍に徴用され太平洋航路は終了します。そして東南アジア方面の輸送船として使われていましたが昭和18年にアメリカ潜水艦ガジョンの魚雷2発によりフィリピン中部パナイ付近で撃沈されます。2500名の乗員のうち2176名が亡くなります。
 そうして考えると当時の太平洋航路は横浜、神戸、上海を経てアメリカに渡ったものと思われます。とすればトランクの持ち主は昭和13年以前に上海に渡り、14年から16年の間に神戸に帰って来たものと思われます。いずれにしても、このトランクは作られてから80年以上経ったものと思われます。モノには歴史がありますなあ。
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posted by entotsu at 22:55| Comment(0) | カバン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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